IPアドレスは国によって決められているため、基本的に変更できないものとなっています。
しかし、IPアドレスを海外のものに変更できる技術が存在しており、VPNを使うことによってアドレスを国内から海外に変更できるのです。
海外に変更できるようになれば、日本国内からアクセスできなくなっているサイトなどが利用可能になり、さらに幅広いサイトの利用が可能となっていきます。
今回はIPアドレスをどのように変更していくのか、そしてIPアドレスを変更する際におすすめできるシステムなどを解説していきます。
この記事の目次
【結論】VPNを使えばIPアドレスを海外に変更できる
IPアドレスはVPNを利用することで変更できます。
本来であれば「ICANN」という組織がIPアドレスを管理しており、どの国からアクセスしているのという情報を提供することで、アクセスしている国などの情報が他の人にも伝わるようになっています。
しかし、VPNを活用することによって、IPアドレスを隠してサービスを利用できる状況にできるため、アドレスを海外のものに変更しておけば海外からアクセスしている状況を作り出せるのです。
VPNを利用することによって、次の状況を作り出してIPアドレスを隠すことが可能です。
- インターネット上に仮想のネットワークを構築
- VPNの情報を暗号化してわからなくする
- VPNサーバーの情報がアクセス先として提供される
VPNによってIPアドレスは暗号化されることから、一般的に使われているアドレスは外部に漏れる心配がありません。
提供されるIPアドレスはVPNのサーバーが持っているものに置き換えられるため、サーバーの場所が海外に存在しているのであれば海外のアドレスに変更されるのです。
海外のサーバーに変更されることによって、日本ではブロックされていたサイトも利用できますし、日本では使えなかった機能が使えるようになるなどのメリットもあります。
IPアドレスを海外にしておくことによって、日本とは異なるインターネットを楽しめるという観点もあり、VPNを利用している人も多くなっています。
第三者にIPを知られないようにする技術を活用
VPNを利用するとIPアドレスが変更されるのは、VPNが第三者にIPを知られないようにする技術を持っているためです。
VPNを通してインターネットに接続すると、暗号化されたサーバーにアクセスしたことによってIPアドレスは隠され、サーバー側が持っているIPアドレスのみが情報として提供されます。
第三者にはVPNによって提供されているIPアドレスを解析する方法がないことから、提供されているIPをそのまま認めるしかないのです。
保有しているIPアドレスを変更しておけば、アクセスしている場所がバレるなどの心配がないこともあり、色々なアクセスが可能となっていきます。
VPNがIPアドレスを変える仕組み
VPNを利用することでIPアドレスを変えられるのは事実ですが、アドレスを変えるための仕組みを活用して変更するのが基本的な方針です。
- トンネリング
- カプセル化
- データの暗号化
３つのシステムを採用することによって、IPアドレスを隠し、サーバー側が持っているIPだけを外部に提供してアドレスにするという方法が使われています。
全てのシステムがしっかり機能していないとVPNは正しく稼働しないことから、しっかりとシステムが作動していることを確認し続ける環境も整備されています。
なぜIPアドレスがVPNによって変更できるのか、詳しい情報を見ていきましょう。
トンネリングを行いセキュアな状態を作る
まずはトンネリングという状態を行い、セキュアな通信状態を作る方針を採用しています。
トンネリングというのは、VPNによって生み出されている仮想トンネルを作り出す作業であり、本来の通信用トンネルではなく新しく仮想トンネルを作るというものです。
仮想トンネルを作り出すことによって、本来のIPアドレスを隠して情報を送信できる体制を作り出すことが可能となり、別のIPアドレスに変更したとしても情報が洩れません。
情報をしっかり隠し、新しい情報で通信を安定化させるためには、トンネリングという作業によってVPNが正しく変更できる状態を作らなければならないのです。
カプセル化したデータを通信プロトコルで流す
次にカプセル化したデータを通信プロトコルで流す作業があります。
普通のデータはカプセル化されていないことから、誰が見てもデータの内容を確認できるようになっており、色々な情報が簡単に把握されてしまいます。
一方でカプセル化している情報を送信することによって、データは隠された状態で送信されることになり、通信プロトコルで送信したとしても情報が勝手に知られる心配がありません。
カプセル化が解除されるまで内部データを確認できないようになっていることから、VPNを利用しておけばデータが勝手に見られてしまうという状況も起こらなくなっています。
データを暗号化してわからなくする
最後にデータを暗号化して、わからない状態にしてから送信します。
データを暗号化することにより、更なるセキュリティ向上が見込めるようになっているのはもちろんのこと、暗号してあらゆる情報を知られないようにする取り組みが行われます。
VPNを活用する際は暗号化によってデータを隠し、更に通信相手が信頼できると判断されている状況が作られていない限りはデータを送信しないという方針を採用しているのです。
データを送信する相手が信頼できると判断できるようになって、初めてVPNによる通信ができるようになっているのも大きなポイントであり、勝手にデータが見られてしまうような状況も起こらないのです。
IPアドレスを海外に変更する3つのメリット
IPアドレスは国内でも大丈夫だと思われていますが、実はVPNを利用して海外に変更することによるメリットが3つあります。
- 安全な通信環境を実現
- 海外でのみ利用できるサイトへアクセス可能
- コスト削減につながる
VPNを利用すると安全な通信環境が更に作られるようになりますので、一般的な通信方法に比べて安心できる状況を作りやすくなっています。
また、日本国内では利用できないサイトやサービスにアクセスできるようになっており、普段は利用できないものが使えるようになっていきます。
コストも大幅に削減できることから、VPNを利用していくのはとても優れていることと言えるのです。
ここからは、海外のIPアドレスに変更するメリットを詳しく説明します。
安全な通信環境を実現
VPNを活用して通信することによって、安全な通信環境を更に構築できるようになっていきます。
一般的な通信というのはどうしてもセキュリティがしっかりしているわけではなく、何らかの影響によってみられてしまう恐れがあるのです。
| 一般的な通信 | 何らかの方法で閲覧や情報改ざんの恐れがある |
| VPN | データが暗号化されているため見られる心配がない |
特に無料Wi-Fiを利用している時に起こりやすいのですが、通信を利用している時に誰かに見られるなどの問題が発生してしまい、アクセスしている場所が知られるという問題が発生します。
通信している場所などの情報がわかってしまうと、セキュリティ的には極めて厳しい状況となってしまうことから、普通の通信というのは使いづらいのです。
しかし、VPNに変更しておくことによって、アクセスしている場所は全てわからない状態となっています。
アクセスしている場所が知られないようになっているのは大きな良さであり、セキュリティ面での大幅な改善が期待できる他、自分の身をネット上で守れるという状況を作りやすくなります。
海外でのみ利用できるサイトへアクセス可能
IPアドレスを海外に変更しておけば、海外でのみ利用できるサイトやサービスが利用可能になっていきます。
具体的には次のサービスが利用可能になります。
- 日本国内からアクセスできない海外のサイト
- 日本国内で制限され閲覧できないコンテンツ
VPNを利用している場合、IPアドレスはサーバーのアドレスになりますので、日本国内ではアクセスできない海外のサイトへアクセス可能となります。
日本で厳しくブロックされているサイトへのアクセスが容易にできるようになっているのは大きなメリットであり、海外のサイトを気軽に閲覧できるようになるのです。
また、Netflixのように、日本国内からアクセスしている時にコンテンツ制限を受けているものも制限が排除されます。
具体的にはジブリ映画が閲覧可能になっているなど、VPNと契約していることで本来は閲覧できないコンテンツが簡単にみられるようになっています。
コスト削減につながる
最後のメリットは、セキュリティ面のコスト削減です。
VPNを導入していることによって、本来であれば大量にセキュリティを導入しなければならないところ、VPN1つだけでセキュリティを構築できるようになっています。
セキュリティにお金をたくさん使うような状況を作らなくてもいいことから、コスト面では大幅な削減が可能となり、特に企業ではセキュリティ構築が容易にできるようになっていきます。
コスト削減を少しでも狙いたいと考えているのであれば、VPNを導入して海外IPに換えてしまうなどの対策を取り、安心できる通信を構築してください。
IPアドレスを海外に変更する方におすすめのVPN4選
IPアドレスを海外に変更したいと考えている場合は、VPNを1つ選択しなければなりません。
しかし、VPNが全て優れているのではなく、使い勝手の悪いもの、明らかに質の悪いものも含まれています。
これからVPNを選ぶのであれば、次の4つから1つを選んで利用していくのがおすすめです。
- NordVPN
- ExpressVPN
- Surfshark
- CyberGhost
4つのVPNはコスト面でもさほど高いものではありませんし、デバイスを大量に使ったとしても接続が続けられるというメリットを持っています。
また、プライバシーポリシーがしっかりしていることもあり、勝手に情報を提供するといった行為がありません。
安心して使えるVPNを導入して、より快適な通信環境を手に入れましょう。
NordVPN
| 月額料金 | 550円～1,960円 |
| サーバー設置国 | 61ヶ国 |
| 同時接続デバイス | 6個 |
| プライバシーポリシー | ノーログポリシー |
NordVPNは世界中に多くのサーバーを設置しているVPNです。
サーバーの設置国はあまり多くないのですが、設置されているサーバーの量が多くなっていることから、アクセスできないような状況が起こらないようにしています。
NordVPNの特徴は次の通りです。
- 低価格からスタートできる
- 回線スピードが安定して速い
- 無料割引サービスが使えることも
最安値は550円程度と安くなっていることから、価格面で高いVPNを導入するよりも明らかにコストを削減できます。
安さに定評のあるNordVPNではあるものの、実は回線スピードがかなり速く、500Mbps程度の通信スピードをしっかり出せるようになっています。
回線スピードとコスト削減という両方を実現したい人におすすめできるVPNと言えるのは間違いありません。
3ヶ月の無料サービスも導入されていますので、お試ししたいと思っている人にも使えます。
ExpressVPN
| 月額料金 | 967円～1,878円 |
| サーバー設置国 | 105ヶ国 |
| 同時接続デバイス | 8個 |
| プライバシーポリシー | ノーログポリシー |
ExpressVPNはサーバーを多くの国に設置しているVPNです。
サーバー設置国は105ヶ国とかなり多くなっており、色々な国のサーバーを活用できるというメリットを持っています。
ExpressVPNの特徴は次の通りです。
- 同時接続デバイスが多い
- セキュリティの高さが魅力
- 通信速度も安定している
最大で同時接続できるデバイスが8つまで用意されているため、他のVPNに比べて色々なデバイスを活用してアクセスできるようになっています。
また、海外で利用されている最高クラスのセキュリティ「AES-256bit」を採用していることから、セキュリティ面での不安は一切ありません。
通信速度も安定して速い状況を作り出せるようになっているため、安定感とセキュリティ面の強さを手に入れたい人におすすめです。
特に情報漏洩という状況が起こらないことから、VPNを利用して失敗したと感じにくいところが大きな要因です。
Surfshark
| 月額料金 | 308円～2,308円 |
| サーバー設置国 | 100ヶ国 |
| 同時接続デバイス | 無制限 |
| プライバシーポリシー | ノーログポリシー |
Surfsharkは長く利用したい人におすすめできるVPNです。
契約方法に年間契約が存在していることもありますが、2年契約が可能となっているため長くサービスを保有するという方法が使えます。
Surfsharkの特徴は次の通りです。
- VPNでも最安値クラスの価格
- 同時接続デバイスが無制限
- 2年契約で無料期間が手に入る
2年契約限定となりますが、最安値クラスの価格で契約できる点が大きなポイントです。
また、2年契約を選んだ場合は3ヶ月間の無料サービスも追加されることから、契約期間中に料金を多く支払うという状況が起こりづらくなっています。
同時接続デバイスが無制限となっていることから、オフィスなどでの利用を検討している場合にも使えるなど、幅広い用途に対応しています。
回線速度はさほど早くないところが気になるところではあるものの、安心して使える環境は整っているので問題はありません。
CyberGhost
| 月額料金 | 290円〜1,790円 |
| サーバー設置国 | 100ヶ国 |
| 同時接続デバイス | 7個 |
| プライバシーポリシー | ノーログポリシー |
CyberGhostは設置されているサーバーの数が多いVPNです。
こちらもサーバー設置国が100と多くなっていることから、色々な国にアクセスしてVPNサービスを楽しめるようになっています。
CyberGhostの特徴は次の通りです。
- 不安定な状況になっても新しいサーバーを探しやすい
- 返金保証を準備している
- カスタマー対応がいい
VPNの中にはサーバーに不安を抱えており、上手に接続できないものも含まれています。
しかし、CyberGhostを利用すれば別のサーバーを探して接続できることから、通信状況に優れているサーバーを見つけやすくなっているのです。
また、45日の返金保証を持っており、契約したものの使いづらいと考えている場合は無料で解約できるというメリットを持っています。
カスタマー対応も優れているため、わからないと感じた時には相談するなどの対応が取りやすくなっています。
VPNを使ってIPアドレスを変更する方法
VPNを使ってIPアドレスを変更するためには、手順をしっかり覚えておかなければなりません。
手順を間違えると起動できる状況にならないことから、IPアドレスを変更する際は覚えておきましょう。
VPNと契約する
まずはVPNと契約して、IPアドレスを変更できる媒体を準備しておきます。
VPNは多数提供されていますが、信頼性の高いものを選んでおかないと失敗する可能性があるため注意してください。
また、契約年数によって費用面での優位性を取れるものもありますので、複数年契約を希望している場合は年間契約も検討してみましょう。
VPNアプリをインストール
VPNのアプリをインストールして、起動できる状態にしてください。
VPNは専用のアプリやソフトを利用しなければ起動できないことから、契約した後に必要なものをダウンロードしてください。
インストールが完了して起動できるようになると、VPNが使えるようになりIPアドレス変更の準備が整います。
VPNを設定してIPアドレスを変更
最後にVPNを利用してIPアドレスを変更していきます。
具体的には次の手続きを取ればIPアドレスを変更できます。
- VPNアプリを起動してログインする
- 接続したいサーバーを選択する
- サーバーが接続されていることを確認する
- IPアドレスをチェックして変更されていることを確認
多くのVPNでは接続したいサーバーを選択し、接続が確認されれば自動的にIPアドレスが変更されるようになっています。
アドレスが変更されているかはVPNで確認できますので、最後にアドレスが変更されていることをしっかり確認しておきましょう。
IPアドレスを海外に変更する際の注意点
IPアドレスを海外に変更する際には注意しなければならない点がいくつかあります。
- 安全性に問題のあるVPNが存在する
- 回線速度が低下する恐れあり
- 使わない時はIPを戻しておく
特にVPNの安全性には注意してください。
不安定なものを利用すると危険な状態に陥る可能性があります。
ここからは、IPアドレスを変更する際の注意点を詳しく説明します。
安全性に問題のあるVPNが存在する
VPNは全て安心できるものではなく、不安定なものも存在します。
安全性に疑問を抱えているVPNを利用すると、セキュリティ面での不安が強く、最悪の場合はIPアドレスを特定されてしまう可能性もあるのです。
次のVPNはなるべく避けたほうが無難です。
- 無料で配布されているVPN
- 評判が悪いVPN
無料で提供されているVPNはセキュリティ面の不安が大きいため使わないでください。
また、評判が悪く、利用している人がセキュリティ面の不安を伝えているものも避けたほうが安心できます。
回線速度が低下する恐れあり
VPNを利用すると、本来の回線スピードより速度が出なくなってしまう場合があります。
サーバー側が提供している回線速度で通信し続けることになるため、かなり回線スピードが速いものを利用していると遅くなったような印象を感じやすくなります。
また、サーバーが混雑している場合など、通信速度が急激に落ち込んでしまうケースもあることからサーバーの状況には注意してください。
どうしても混雑しているサーバーが存在している場合は、別のサーバーに切り替えることで通信速度を戻せる可能性もあります。
使わない時はIPを戻しておく
IPアドレスを常に海外にしておくのは面倒ですし、場合によっては日本のサイトにアクセスできない問題が生じます。
使わない時は通常のIPアドレスに戻しておくようにして、普通のサイトでも使える状況を作り出しておくのが安心できる方法です。
海外のサイトやサービスを利用するときだけVPNを利用し、それ以外のタイミングでは通常の回線でアクセスしたほうがトラブルは起こらなくなります。
特に日本が海外からのアクセスを遮断しているサイトを利用するときなど、VPNを使わないようにして普通のアドレスでアクセスすることを徹底してください。
IPアドレスを海外に変更する際によくある質問
IPアドレスを海外に変更する際に見られる質問について見ていきます。
VPNの利用に危険性はありますか？
VPNに危険性はほぼありません。
安心して使えるものであれば問題なく利用できます。
しかし、無料配布されているものなど、一部に不安を抱えている媒体もあるので注意してください。
VPNを使い海外のIPに変更するのは違法ですか？
違法ではありません。
VPNを利用するのは個人の自由であり、法律で規制されているものではないのです。
何度利用しても摘発されるような問題は起こりません。
海外で日本のIPに変更できますか？
海外でも日本のサーバーにアクセスできれば変更できます。
VPNには日本のIPに変更するものも用意されていますので、日本にサーバーがあれば変更可能です。
ただ、サーバーが日本に置かれていないVPNでは変更できない点に注意してください。
VPNを使ってもIPアドレスが海外に変わらない時は？
サーバーにトラブルが発生している可能性があります。
別のサーバーを利用してIPアドレスが海外に変更されるか確認してください。
それでも変更されない場合はVPNのトラブルが発生しているため、しばらく待って対処してもらいましょう。
VPNで固定IPをするにはどうすればいい？
固定IPアドレスを提供できるVPNを利用すれば問題ありません。
VPNの中には固定IPで提供しているものもありますので、提供されている固定アドレスを利用すれば問題なくIPが作られます。
変動するものでも同じサーバーにアクセスすれば固定IPで使える場合があります。
iPhoneでIPアドレスを海外に変更するには？
VPNアプリをスマホでダウンロードし、インストールして起動してください。
アプリ用も準備されていますので、iPhoneでもアドレスを変更できます。
パソコンで契約してスマホで利用する方法も有効です。
IPアドレスを海外に変更する方法まとめ
IPアドレスは海外に変更できる手段があります。
VPNを利用すれば誰でも簡単に変更できるため、希望する人は変更するための準備をしてください。
基本的には安心できるVPNと契約しておけば問題ないことから、今回紹介したサービスを中心に検討してみましょう。
海外に変更できれば日本では使えないサービスが利用可能となります。
