レンタルサーバーを契約しようと考えた場合、たくさんの選択肢があるため悩むことも多いでしょう。
そのなかでも、頭を悩ませるのがサーバーの「容量」です。
「せっかくレンタルサーバーを契約するし、せっかくだから大容量なものを選びたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
あまりに大容量を契約しても余ってしまう可能性もありますが、一方で「大は小を兼ねる」とも言います。 この記事では、大容量に対応したレンタルサーバーを紹介しますので、レンタルサーバー選びの参考にしてみてください。
この記事の目次
レンタルサーバーの容量の目安は?どれくらい必要?
まずは、レンタルサーバーの容量の目安から知っていきましょう。
Web領域とメール領域の違い
レンタルサーバーによっては、「Web領域」と「メール領域」が別で設定されている場合があります。
この違いについてまずは知っておきましょう。
Web領域
WordPressや独自サイトなど、公開して利用してもらうサービスに利用される容量です。
一般的なレンタルサーバーでは、この「Web領域」だけを考えておくと良いでしょう。
メール領域
メールのサービスを独自で利用する場合に消費される容量です。
自社のドメインを利用してメールを使えるようにしたい場合、メールボックスとして利用者が受信・送信したメールの内容がサーバーに蓄積されていきます。
特に、時間がたつにつれてメールはたまっていきますので、長期間利用することを考慮するとメール領域は利用人数に応じてどんどん増加していくことが予想されます。
HDDとSSDの違い
レンタルサーバーの容量を確認すると、HDDやSSDといった単語を確認できます。
HDDもSSDも一般的なパソコンに搭載されているもので、「データを保存しておくための機械」と考えてください。
SSDはHDDよりも読み書きが高速であるため、大容量のファイルや、一度に多くのファイルをやり取りするような場合に高速に動作します。
HDDはSSDと比較すると読み書きが遅いかわりに容量当たりの価格が安いというメリットがあります。
もともと、レンタルサーバーと言えば「HDD」でしたが、ゲーム用途のサーバーなどはSSDが主流になりつつあります。
とはいえ、大容量を求める場合SSDは割高になりがちですので、予算と用途に合わせてどちらが良いか選択すると良いでしょう。
また、さらに高速なSSDとして「NVMe」という記載がされているレンタルサーバーも存在します。
NVMeはSSDよりさらに高速な読み書きが可能ですので、より大容量ファイルの取り扱いに長けています。
用途別!レンタルサーバーの容量の選び方
個人向けホームページの場合は10GBで十分
テキスト中心のブログやポートフォリオといった、個人で運営するようなホームページを想定するのであれば、10GB程度の要領で事足りることがほとんどです。
数ページ程度のホームページを作成するのであれば、最も安いプランでも十分利用可能です。
シンプルなホームページなら100GBで十分
画像を使用するサイトや、少しの動画を含むようなホームページであれば、もう少し余裕をもって容量を設定することをおすすめします。
イラストや写真を公開するようなサイトであっても、100GB程度を見ておけば充分足りるでしょう。
法人向けサイトの場合は10~100GBを目安
コーポレートサイトなど、法人向けのサイトを構築する場合には内容に応じて容量が変わってきます。
特に、出資者向けに資料としてPDFを公開しようと考えている場合にはその分容量が必要です。
数ページ程度のサイトであれば10GB程度で充分足りますが、更新頻度が高い場合や多くの情報発信を目的にしている場合には100GB程度を目安にすると良いでしょう。
容量は1ページあたり1~2MBが目安
どの程度の容量が必要なのか?と考えた際に目安となるのが「1ページ当たりの容量」です。
ほとんどの場合、1ページ当たりの容量は画像を含めて1~2MB程度と考えると良いでしょう。
それを超えると、回線が遅い場合は表示に時間がかかることになりますので、ホームページの公開を目的としてレンタルサーバーを使う場合には注意すると良いでしょう。
高画質画像や動画を盛り込むと容量が大きくなる
「せっかく公開するのだから、高画質の画像や動画を使いたい」と考える方も多いことでしょう。
その際、画像や動画は「画質をあげるほど容量が大きくなる」ということを忘れてはいけません。
高画質な画像をふんだんに使うことでビジュアル的なメリットは大きい場合もありますが、その分表示に時間がかかってしまいます。
Webp(ウェッピー)をはじめとしたWebの画像表示に適した画像形式も存在しますので、もしページ内に数MBの画像が含まれる場合には、画像の圧縮や変換をして軽量化すると良いでしょう。
データ容量1TB以上あるレンタルサーバーおすすめ5選を比較
数あるレンタルサーバーのうち、1TBを超える容量を提供しているレンタルサーバーを5社紹介します。
エックスサーバービジネス | ロリポップ! | カラフルボックス | CPI | さくらのマネージドサーバ | |
初期費用 | 55,000円 | 0円 | 2,200円 | 132,000円~ (容量によって変動) | 17,600円 |
月額料金 | 1TB:19,800円~ 2TB:39,600円~ 3TB:79.200円~ | 1.2TB:2200円~ | 1TB:23,078円~ | 52,910円~ | 1TB:13,544円~ 2TB:25,661円~ |
バックアップ | RAID1による冗長化 | 有償バックアップサービス (330円/月) | リージョンバックアップ | RAID1による冗長化 | サイトバックアップサービス |
CPU | 12~24コア | 共有 | 18コア | 16コア | 8~16コア |
メモリ | 12~128GB | 共有 | 40GB | 16コア | 16~32GB |
プラン変更 | 不可 | 可能 | 可能 | 不可 | 不可 |
公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
各社それぞれで容量に対する料金が異なることが分かります。
容量だけでなく、CPUやメモリといった条件を加味して選択すると良いでしょう。
また、もう一点注意すべき点が「データのバックアップ」です。
せっかくの大容量のレンタルサーバーを契約しても何かしらの問題によりサーバー内のデータが破損したり、誤って削除したりすると大切なデータが消えてしまいます。
何かが起きてからでは手遅れになってしまいますので、何かしらの問題が起きてデータが消えても復旧できるよう、バックアップは必須です。
そのバックアップについてですが、各社でバックアップの方法や対象が異なる点に注意が必要です。
各社で特徴が異なりますので、ご自身の用途に合ったサービスを選択しましょう。
それでは、各社にて提供しているレンタルサーバーについて、1TB以上のプランを詳しく解説します。
各社の最安プランもあわせて紹介しますので、契約時の参考にしてみてください。
エックスサーバービジネス
プラン | スタンダード | エントリー | ミドル | ハイエンド |
初期費用 | 16,500円 | 55,000円 | 55,000円 | 55,000円 |
月額料金 | 3,762円~ | 19,800円~ | 39,600円~ | 79,200円~ |
容量 | 300GB | 1TB | 2TB | 4TB |
ストレージ | NVMe | NVMe | NVMe | NVMe |
CPU | 共用 | 12コア | 18コア | 24コア |
メモリ | 共用 | 32GB | 64GB | 128GB |
エックスサーバーでは、主に企業向けに大容量サービスであるエックスサーバービジネスを展開しています。
最安のプランでも高速なNVMeを搭載しているため、大容量のファイルを快適に扱うことが可能です。
また、1TB以上のプランでは専用の仮想サーバーが用意されるため、Webアプリケーションを構築して一般公開することも可能です。
「とにかく高性能なサーバーが欲しい」場合には、エックスサーバービジネスを選択すると良いでしょう。
ロリポップ!
プラン | エコノミー | ハイスピード | エンタープライズ |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額料金 | 99円~ | 500円~ | 2200円~ |
容量 | 120GB | 500GB | 1.2TB |
ストレージ | HDD | SSD | SSD |
CPU | 共有 | 共有 | 共有 |
メモリ | 共有 | 共有 | 共有 |
ロリポップはWordPressに特化したレンタルサーバーで、格安でレンタルサーバーを利用できます。
また、大容量のエンタープライズプランも提供しており、安価に1TB以上の容量を利用できます。
ただし、ロリポップはCPUのコア数やメモリが公開されない「共有プラン」しかありません。
共有プランとは、他の契約者とCPUやメモリを共用して利用するプランであり、他に紹介した「○コア」や「△GB」の表記がありません。
他の契約者の利用状況次第では、サイトが遅くなったり早くなったりする可能性があるため注意しましょう。
カラフルボックス
プラン | BOX1 | BOX8 |
初期費用 | 2,200円 | 2,200円 |
月額料金(1カ月契約) | 792円~ | 23,078円~ |
月額料金(12カ月契約) | 683円~ | 18,458円~ |
容量 | 150GB | 1TB |
ストレージ | SSD | SSD |
CPU | 1コア | 18コア |
メモリ | 2GB | 40GB |
カラフルボックスは、WordPressを容易に構築可能で、容易にプラン移動が可能なことが特徴のレンタルサーバーです。
最小で150GBから利用可能で、1TBまで拡張可能です。
徐々にプランをあげていくことも可能ですので、
「開始直後は容量が少なくても問題はなく、将来的に増加が予想される」
ということあれば、柔軟にプラン変更が可能なカラフルボックスがおススメです。
CPI
プラン | CHM-21Z | CHM-22Z | CHM-23Z |
初期費用 | 101,200円 | 132,000円~ | 154,000円~ |
月額料金 (1カ月契約) | 50,050円~ | 64,350円~ | 88,660円~ |
月額料金 (12カ月契約) | 38,610円~ | 52,910円~ | 81,510円~ |
容量 | 480GB | 480GB | 480GB |
増設 | 不可能 | 可能(下表を参照) | 可能(下表を参照) |
ストレージ | SSD | SSD | SSD |
CPU | 8コア | 16コア | 24コア |
メモリ | 16GB | 16GB | 32GB |
CPIはauをはじめとする通信事業を営むKDDIグループのレンタルサーバーで、ビジネス向けに特化したレンタルサーバーを展開しています。
レンタルサーバーのプランとしては480GBのみですが、専用のサーバーを契約し追加の料金を支払うことでSSDを増設できます。
ビジネス目的ということもあり、豊富なサポートやセキュリティ対策などが充実していますので、エンタープライズ目的の用途で利用するのであれば検討すると良いでしょう。
容量増設の料金表
追加の容量を増設する場合は、初期費用として下記の料金が発生します。
短期間の利用を前提とした場合には割高となるため注意が必要です。
容量 | 料金 |
480GB(合計960GB) | 176,000円 |
960GB(合計1.44TB) | 264,000円 |
2400GB(合計28.8TB) | 396,000円 |
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さくらのマネージドサーバ
プラン | スモール | ミディアム | ラージ |
初期費用 | 17,600円 | 17,600円 | 17,600円 |
月額料金 | 7,485円~ | 13,544円~ | 25,661円~ |
容量 | 500GB | 1TB | 2TB |
ストレージ | SSD | SSD | SSD |
CPU | 2コア | 8コア | 16コア |
メモリ | 8GB | 16GB | 32GB |
国内におけるインターネットサービスの最大手であるさくらインターネットの展開するレンタルサーバーです。
同社では、容量の小さい、コスパの良いレンタルサーバーを多く提供していますが、
占有サーバーである「さくらのマネージドサーバ」を契約することで1TB以上の容量が提供されます。
占有IPアドレスや高いセキュリティ機能、OSやミドルウェアの保守などもサービスに含まれていますので、
「セキュリティに詳しい社員がいないがサービスを提供したい」という場合には非常に有用と言えるでしょう。
レンタルサーバーの容量に関するよくある質問
容量は100GBでも問題ない?
ほとんどの用途においては、100GBで問題ありません。
一般的なWebサイト目的であれば、その容量を超えることはほとんどありません。
ただし、大容量の画像や動画といったファイルを扱うという前提があるのであれば、そのファイル容量を想定したうえで適切な容量を選択すると良いでしょう。
容量無制限のサーバーを選ぶのはどんな時?
データ増加の予想が立たず、かつ容量オーバーで止めたくない場合は、容量無制限のサーバーを選択すると良いでしょう。
たとえば、ユーザーがファイルのアップロードをするようなサイトを構築する場合、人気が出ればでるほどアップロードされるファイルが増えるため容量が必要になります。
そんな人気の中で「容量不足」でサービスが止まってしまったら元も子もありません。
特に大容量のレンタルサーバーが必要な場合には、利用者とデータ容量の増加数を予測する必要があります。
まとめ
この記事のおさらい
- シンプルなWebページであれば100GB程度で充分
- レンタルサーバーに何を置くのかをあらかじめ想定する必要あり
- 大容量だからこそ、バックアップは忘れずに
本記事では、大容量のレンタルサーバーについて紹介・解説しました。
はじめてレンタルサーバーを契約する場合、容量については特に気になるところでしょう。
レンタルサーバーに必要な容量は「何をするのか」によって大きく変わりますので、「レンタルサーバーを利用する目的とデータの想定」をあらかじめ予測することが必要不可欠です。
ぜひ本記事を参考に、ご自身の用途に合った最適なレンタルサーバーを見つけて、最適なビジネスへご活用ください。